命の贈り物
そうして木々が緑に生い茂り、太陽が照りつける。
季節は夏を迎えようとしていた。
そんなある日のことだった。
涼のお母さんに私と孝志は家へ呼ばれた。
おばさんは、私たちがリビングに座ると紅茶を出した。
少し、痩せたんじゃないだろうか……?
「おばさん、涼は……?」
孝志がそう聞くと、おばさんは自分も私たちの向かい側に座り、口を開いた。
「今、買い物に行ってるわ。今日は調子がいいみたいなの。すぐ帰ると思うわ。」
「そうですか。今日は学校、来ないんですね……調子いいみたいなのに。」
孝志が言うとおばさんは疲れた表情から無理に笑いながら
「前までは、そうしてたんだけどね……。孝志くんや美沙ちゃんに知られたくないって。」
最近は、何に関しても無関心なのよ。
そう、寂しそうにおばさんは言った。