命の贈り物
第十章 君が残したもの
「本当に推薦の話は断っていいんだな?」
「はい。」
甘えたくない────…
担任の先生が調査書とにらめっこしている。
今日は二者面談の日だ。
昨日、咲は泣いて話にならなかった。
涼には連絡がとれないし。
孝志に相談したら
「僕たちが口を挟むことじゃない。」
そう、言われた。
確かにそうかもしれないけど……。
放ってだっておけないじゃない。
納得が出来ないまま今日を迎えた。
私は結局、推薦の話を断ってセンター試験を利用することにした。
後悔だけは、したくなかったから────…
自分に合った学校を見つけたかったから。
楽だけは、したくないと思った。