命の贈り物
先生はしばらく厳しい顔をしていた。
「お前の気持ちは分かった。」
先生はそう言って何校か学校のパンフレットを渡してくれた。
早めに行きたい学校を絞っておくように、それだけ言って。
そうして、二者面談は終わった。
一つ一つ、前に進むために解決していかなければいけないんだ。
貰った学校のパンフレットを片手に、私は窓の外を見上げた。
「医大……か……。」
辛くなることは分かってる。
私はパンフレットを持つ手に力を込めて、教室へと向かった。
「次、孝志だよ。」
教室に入るなり、私は次の順番である孝志に告げる。
「あぁ、分かった。」
孝志は席を立ち、進路指導室へと向かっていった。