命の贈り物
いつもの公園の前に来ると、孝志は足を止めた。
「美沙。」
孝志が振り返って私の方を向く。
「いつだったか、生徒会長に当選したとき、お祝いをくれるって言ったよね?」
「あ……うん、決まったの!?」
「うん、決まった。一つだけ、僕のお願いを聞いて欲しいんだ。」
「何……?」
孝志は一息ついてゆっくりと私の目を見た。
まるで、時が止まったように私には感じた。
時間が、流れない。
「美沙……。僕と、別れて欲しい。」
孝志はそう言った。
別れる?
私は自分の耳を疑った。
「嘘、でしょ……?」
信じないよ、孝志。
ねぇ、信じないからね!?
「本気だよ。」