命の贈り物
第十一章 始まりの朝
太陽の光が部屋いっぱいに射し込んでくる。
気づけばもう、12時を回っていた。
これからは、孝志がいない生活が始まる。
孝志が見ることの出来なかった今日。
「あ、学校!!」
今朝帰ってきて、そのまま寝てしまったんだ……。
慌ただしく過ぎ去った昨日。
まるでまだ夢の中にいるかのようだった。
制服をクローゼットから取り出して袖を通す。
何日ぶりだろう。
テーブルの上にあったお弁当を持って私は学校へと向かった。
今なら四時間目の途中に間に合う。
咲との約束だ。
学校に行かなくちゃ。
それだけの想いで私は久しぶりに登校した。
授業中ということもあって校内はとても静かだ。
一歩、また一歩と私は教室へと足を進めた。