命の贈り物

そこまで私が言うと、孝志はそっと一言言った。



「僕がいるよ。」




たった一言だったけど、とても温かい言葉だった。



「涼だっている。」



孝志は続ける。




「だから…。」






美沙は一人なんかじゃないよ─────…






その言葉はずっと、ずっと…私の心の支えであり続けた。




「美沙が喜ぶなら、僕は毎日だってコーヒーをいれてあげるよ。」




そう言って孝志は手で私の涙を拭ってくれた。



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