命の贈り物
「ねぇミサ。」
「ん?」
咲が珍しく真面目な顔で私の名前を呼ぶ。
「私、ミサに相談したいことがあるの…。放課後、空いてる?」
咲は真剣だった。
私は今日、予定がある…。
手帳に挟んだ名刺が頭から離れない。
優先すべきなのは、どっち…?
大切な友達と自分。
私は自分を犠牲にして咲の相談を聞くことが出来る…?
「ほら、席に着きなさい。」
その時、ちょうど先生が入ってきた。
「じゃあ、昼休みまでに教えてね。」
それだけ告げると咲は自分の席へと向かっていった。
私は、悩んだ。