命の贈り物
「ごめんね、涼。」
「いいから、俺が協力したいんだから、ミサが謝る必要なんかないよ。」
申し訳なさそうにいう私に涼は優しく微笑みながらそう言った。
「ありがと。」
私たちはいつもと変わらない会話をして学校を出て行った。
教室では、孝志が鞄に教科書をつめていた。
「会長。」
そこへ新しく選挙で当選した生徒副会長がいた。
「何?」
「あの、この後って予定とかありますか?」
「や、ないよ。」
「急な集まりなんですけど、出れたら出て欲しいんです。」
「分かった。今行くよ。先に生徒会室に行ってて。」
「はい。」
そう言って副会長は教室をでた。
孝志は、残った教科書を鞄につめ、そっと窓の外から校門を眺めた。
「……いいけどね。」
そう言って孝志は生徒会室へと向かって行った。