命の贈り物
生徒会室に向かう途中に孝志は咲に会った。




「結城くん。今日はミサと一緒じゃないの?」





孝志は足を止め咲の方を向く。




「そんな年中一緒みたいな言い方しないでよ。今日は別なんだから。」





孝志は苦笑した。





「……、違った……んだ?」





「僕の空回り、ってとこかな。」




孝志は悪戯っぽく笑った。



つられて咲も笑う。





「結城くんって、分かりやすいね。」





「気付かないのは鈍感な本人だけ。僕もそれでも良かったんだけどね……。」





「何か、あったの?」





「いや、何も。じゃあ僕は生徒会があるから。」




「あ、ごめんね、引き止めちゃって!!」




「いや、いいよ。君も、分かりやすいからね。」





そう言って孝志は去っていった。


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