命の贈り物
残った咲は見えなくなるまで孝志の背中を見つめていた。
美沙と涼は奈都子が働いている美容室へと向かっていた。
「一応、連絡しといた方がいいかな?」
美沙は涼に聞く。
「まぁ、突然だと驚くだろうし連絡くらいは入れておいた方がいいかな。」
そう涼に言われ、美沙は名刺に書いてある番号に電話する。
涼はその様子を黙ってみてた。
しばらくして美沙が電話を切る。
「近くの喫茶店で待ってる、って……。」
そう言った美沙はどことなく緊張しているようだった。
「じゃあ、行くか。」
不安そうな美沙の手をとり喫茶店へと向かう。
その間、会話がなく、長く感じたのはいつまで経っても覚えている……。