命の贈り物
「こっちよ。」
喫茶店に入れば、奈都子さんが私たちに手を振っている。
私と涼は向かいに座った。
「それで、話って何かしら?……もしかしてこの間のこと?」
奈都子はすぐに話を切り出した。
「……はい。『颯太』のこととか、知りたいんです。」
「んー、そうね……。やっぱり気にしてたわよね……。ごめんなさい。」
「いえ、私は知れてよかったです。真実が、知りたいんです……。」
「分かったわ。少し長くなるけれど……。昔話でもしましょうか。」
そう言って奈都子さんはコーヒーのおかわりをもらい、少しずつ、自分の高校生活のことを話してくれた。
「私が初めてかなえに会ったのは高校2年のとき。」