命の贈り物
「名前、何ていうの?」
隣の席に座ったかなえは奈都子に話しかける。
「奈都子。」
無愛想に奈都子は名前だけを答える。
「奈都子ちゃん?……可愛い名前なんだね。私は松野かなえっていうの。かなえって読んでね。」
そう言って微笑みながらかなえは手を差し出す。
仕方なく奈都子はその手を握る。
「これで私たち友達だね。」
かなえは満足そうに笑った。
それから、かなえはずっと奈都子と一緒だった。
「奈都子、今日のお昼どこで食べる?」
「……んー、屋上?」
奈都子はかなえがいたからすぐにクラスにも馴染めた。
今がすごく楽しかった。