命の贈り物
「ありがとう、結城くんに話して良かった。少しだけ、楽になった気がする。」
咲は微笑んだ。
「そっか、良かった。少しでも力になれたなら、なによりだよ。」
つられるように孝志も微笑んだ。
ふと、外を見ればもう辺りは真っ暗だ。
孝志はそれを見て、咲に言った。
「送ってくよ。こんなに遅くは危ないしね。」
「い、いいよ!結城くんに迷惑がかかるし……。」
咲は言った。
「平気。それに今日は、何だか遠回りをして帰りたい気分なんだよ。」
孝志は外を眺めながら言った。
「じゃあ、お願い、しよっか……な。」
咲は遠慮がちに言った。
「うん、了解。じゃあ、行こっか。」
「うん。」
そうして二人は帰っていった。