歌織物~百人一首をお題にした詩集
夏の短夜(みじかよ)編
春すぎて 夏来(き)にけらし 白妙(しろたへ)の
衣ほすてふ天の香具山 02 持統天皇
お布団から窓の外を見れば
青い空にひるがえる
彼のYシャツ
彼のズボン
わたしのYシャツ
わたしのスカート
午後いっしゅんの夕立は
二人をとろかし
ほてった蒸気が
真っ白な雲をつくりあげ
夏空にのぼる
二人の気持ちがかたちになった
はじめての、夏のはじまり
素はだに風が
ここち良く
どこまでも
空は遠くて
となりの寝顔も
とっても気持ちよくて