歌織物~百人一首をお題にした詩集

長からむ 心も知らず 黒髪の

 
  乱れて今朝は ものをこそ思へ

        待賢門院堀河(80)
          
          
          
 

シャワーを浴びているとき



いつも不安になる



髪の先のしずくを



目で追いながら



一滴一滴



不安をしたたらせる



タン、タン



愛しているよ



タン、タン



お前だけだよ



タン、タン



じゃあ、またね



タン、タン



乱さないで



わたしの心を乱さないで



ギュッとして



強く抱きしめてほしい



不安が恐怖になり



しずくは涙に変わる






































< 13 / 29 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop