歌織物~百人一首をお題にした詩集
長からむ 心も知らず 黒髪の
乱れて今朝は ものをこそ思へ
待賢門院堀河(80)
シャワーを浴びているとき
いつも不安になる
髪の先のしずくを
目で追いながら
一滴一滴
不安をしたたらせる
タン、タン
愛しているよ
タン、タン
お前だけだよ
タン、タン
じゃあ、またね
タン、タン
乱さないで
わたしの心を乱さないで
ギュッとして
強く抱きしめてほしい
不安が恐怖になり
しずくは涙に変わる