歌織物~百人一首をお題にした詩集
百敷(ももしき)や 古き軒端(のきば)の しのぶにも
なほあまりある 昔なりけり
順徳院(100番)
たくさんの時間が流れて
世の中は変わった
あたらしいビルが建ち並び
古い建物は少なくなった
そんな中でも
伝統は受け継がれ
人を愛するという気持ちは、悠久の時を経ても変わらない
はるか昔の恋人たちも
同じようにこの軒下で恋をし
失恋を味わい
熱い情念で相手を想った
今のわたしたちも
同じように、悲しみ、語らい、楽しみあい、
それはまた
受け継がれていくだろう
ずっとこれからも
この先も
形を変えても
心はきっと
変わらない