歌織物~百人一首をお題にした詩集
春の夜の 夢ばかりなる 手枕(たまくら)に
かひなく立たむ 名こそ惜しけれ
周防内侍(67番)
うららかな日和で
思わず舟をこぐ
なんて気持がいいんだろう
授業中の居眠り
「腕枕してやろうか?」
あいつが身をのりだして
こっそりささやいてきた
誰のせいだと思ってるの?!
と言ってやりたかったけど
でも
もういいよ
だって今、ものすごく気持がいいんだもん
恥ずかしいから
はやくあっちむいてよ
赤くなってるのが
バレるから
そんなわたしの反撃も
むなしく夢の世界へと
吸いこまれていく