愛羅武勇×総長様Ⅰ
「ふぅ………」
遼の好きな人はあたしの知ってる人か…
「あら、何でいるの?」
リビングから出てきたお母さんに、そう聞かれた。
「早退したのー」
「そう、なら買い物行ってきてちょうだい。」
「えーっ……」
「えー、じゃない。今日の夜ご飯いらないの?」
「いるけどー…」
「だったら買ってきて、まだ昼だし、何時になってもいいから。」
「…………はーい…」
―ガチャ…
ちょっと待って。あたし1人で出歩くなって言われたばっかりじゃない。
「…何してんの?」
「いやっ、別にー……」
「だったら早く行ってきてよ。」
「はーい…」
どうする?
今日言われたばっかりのことだし………斎藤君はまだ学校にいるよね…
今日だけなら
大丈夫かな?
「行ってきまーす!」
―バタン…
一応、警戒しながら、周りを見渡してみる。
………さすがにいないか。