愛羅武勇×総長様Ⅰ

「はいはい…じゃあ何て呼んだら良いんですかね?」

「名前呼ぶな。」

「大ちゃんのくせに。」

「殺すぞてめぇ。」

「すーみーまーせーんー。」

口の悪い総長だから。

さっきからずっと…


「ブス」

「バカじゃねぇの。」

「アホ」

「うるせぇ。」


これしか聞いてない気がしてきた……

全く、酷いもんだね…

仮にもあたし女の子なのにっ!


「美憂、ケーキあげるっ」

遼ってば優しいじゃない!

…可愛いし、愛想はいいし!


「ありがと」

遼はお礼を言ったあたしに微笑みかけた。

きゅん。

悩殺もんの笑顔だよ。

男にしとくの勿体ない。

あたしが遼の悩殺スマイルにやられていたとき…


―ガッシャーンっ!!


何かが割れたような音がした。

大ちゃんは、分かっていた、とでも言うような冷静さ。

「チッ………槙、遼」

「分かってるって。大智のバイク、裏に止めてもらってるから。」

大きな物音。

な、何事ですか!?

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