愛羅武勇×総長様Ⅰ
外に出ると、夕日が顔をのぞかせている。
……ん?今何時?
【5:20】
「あぁーーっ!」
「ど、どうした美憂…?」
そう問いかけてくる遼の肩を、ガクガクと揺さぶる。
「おつかい頼まれてたんだった!」
「お、おつかい…?」
「そう、おつかい!」
「何頼まれてんの?」
なんだっけ?…と、一瞬考えなおして、記憶を探っていく。
「あぁ、そうだ。トマトとね、玉ねぎだよ。」
「じゃあ俺が買って届けてあげるよ。」
槙が優しく笑う。
「どっちにしろ、その格好じゃ帰れないでしょ?」
遼は苦笑いであたしを指差して。
「あ…」
「大智の家にでも泊まれば?」
「……は?」
「大智1人暮らしだろ。」
「おう。」
「いやいや、ちょっと待ってよ。」
「何だよ。」
「2人も泊まりにくるんだよね?」
「「何で?」」
え……もしかして大ちゃんと2人だけ?
………無理無理!!
そんなの無理だよ!
「行くぞ、風邪引く。」
「あ、はい。」
何で大ちゃんはこんなに普通なの?
普段は有り得ないくらい照れ屋なのにー…