愛羅武勇×総長様Ⅰ
「お前女装しろ。」
-遼side-
「遼、買い物付き合え。」
「お前か、それが人にものを頼む態度かよ。」
「おう、いいから付き合え。」
美憂のためだし。仕方ないから、トマトと玉ねぎを買ってきてやろうということで。
「……仕方ねぇな」
「どうせ暇なんだろ?」
「分かってんじゃん。」
「当たり前」
美憂と大智が、2人で歩いて行く姿を見送って、2人とは逆方向に歩き出した。
「あー…疲れた。」
伸びをしながら言う槙。
「今回の件で、光紀の性格も治ればいいんだけどな。」
同意見。それは俺も思ってた。
「ま、離婚した本当の理由が分かれば少しくらいは治ると思うけど。」
「本当は…大智のせいじゃないもんな。」
大智は何も悪くない。それだけでも分かってもらえれば。
「行こうぜ、美憂の親が心配する。」
「あぁ、そうだな」
いつもより少し早めに歩き、向った先はスーパー。
「槙、トマトとってきて。俺玉ねぎとってくるから。」
「おう、分かった。」
小走りで、玉ねぎを取りに行く。
遅くなりすぎたら、美憂の親が心配しそうだし。
待たせすぎるのも悪いし…