愛羅武勇×総長様Ⅰ

「いってぇ…!」

大ちゃんのその声と共に、ぐらつく体。

「わっ…!」

とっさに、あたしの体を押した大ちゃんの手を掴む。

「ちょっ…待て…っ!」


―ゴン!

「いっ………たぁーい!!」

―ピンポーン…

―ガチャ


「大智ー入るぞ……お?」

「「あ…」」

「あぁぁー!!」

「な、何!?」

「何勝手に入ってきてんだよ!」

あたしが焦っていると、見たことのない慌てようで、大ちゃんが槙と女の子?に怒鳴った。

先に入ってきた槙は固まって、女の子は叫んだ後の口を開けた状態で呆然としている。


「おっ、お前!鍵ぐらい閉めろよな!」

頭を打ち、大ちゃんの下敷きになっている。

おまけに、あたしのカッターシャツのボタンは、不良たちによって、すべて引きちぎられている状態。

………誰が見ても勘違いするだろう。


「どけっ、バカ大智!」

見たことのない女の子が、大ちゃんに怒鳴った。

「お前誰だよ。」

でもあの声って……

「ん?…あぁ、可愛い可愛い遼君ですけど。」

「は?」

大ちゃんは訳が分からないというような顔をしている。

「な、何で女の子の服着てんの…?」

「まぁ簡単に言えば、美憂の家行くためだな。」

あたしの家に行くため?

「よく分かんないけど、まぁありがと。」

「おう、着替えとかも貰ってきた」

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