愛羅武勇×総長様Ⅰ

「光紀さ、俺とは違って昔はあんなのじゃなくて、普通の中学生だったんだ。」

斉藤君が普通の中学生…。

「クラスでも普通に人気者で、部活も真面目にやって。」

そんな斉藤君を変えたのはやっぱり離婚?


「高校入るちょっと前ぐらいに、親父にさ…」


"このままでいると、危ない。大智、悪いがお前のせいで離婚したってことにしてくれないか…?"


「すっげぇ申し訳なさそうに言ってくるもんだからさ。そんときからグレてた俺に耐えられなかったお袋が、家を出て行ったって事にして、俺も納得したわけ。」


そんな理由があったんだ…

「そうなんだ…」

「光紀も親父のとこ行きゃわかんだろ。」


それが分かると安心して、3度目の睡魔が襲ってきた。

ベッドに横になると、大ちゃんと向かい合うようになる。

少し微笑んで、頭を撫でられながら眠りについた。

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