愛羅武勇×総長様Ⅰ
「足りるの?」
「足りる足りる、カバンの中まだパンとおにぎり入ってるから。」
まだあるのかよっ!
「よく食べるね…」
「えー、普通でしょ。」
普通じゃないです。食べ過ぎですよ。袋いっぱいのお菓子にパンにおにぎり?
「細いのにね。」
「あーー!また言った!」
あぁ、そういえば禁句だった。
忘れてたよ。
「遼、うるさい。」
「みんなが静かすぎんだろ、槙も喋れば?」
「はいはい…」
遼はさっきの間に、チョコレート菓子を食べたらしく、次の袋菓子をあけだした。
もうなんか、量の問題じゃない。
それ、男子高校生としてどうなんだろう。
栄養足りてるの?
「なんかお前の昼ご飯見てるだけで吐き気すんだけど。」
槙がものすごく嫌そうな顔をして、遼のコンビニ袋を指差す。
「そうか?」
「そんなに食えんのお前だけだよ。」
呆れ顔の槙。
遼は美味しそうにお菓子を食べていて、なぜかこっちまで吐き気がした。