愛羅武勇×総長様Ⅰ


バイクに乗って約10分。

古いレストランについた。

「何ここ?」

「親父の店。」

「えぇっ!?」

驚くあたしを放って、大ちゃんはレストランの中に入っていく。

誰もいない、レストラン。

「座れよ」

あたしに座るように促すと、自分は奥の方に入っていく。何をしてるんだろう、と考えていると…

「何食いたい?」

「え?」

突然のことに戸惑う。

「あ、じゃあオムライス…」

戸惑ったけれど、答えてしまった。

もしかして、作ってくれるのかな。

邪魔にならないように、大ちゃんがいる場所を眺めながら話しかけてみた。


「あのー………」

「何だよ」

キッチンから聞こえる声。

「大ちゃんってさ…」

「大ちゃんじゃねぇ!」

「そんなに怒らなくても…まぁいいんだけどね、大ちゃんってほんとに暴走族?」

「うぜぇ。」なんてつぶやいた後

「あぁ、龍泉10代目総長だ。」

ハッキリとそう言った。

「そんな感じしないんだけどなー…」

「悪かったな。」

意外と優しいから。

短時間で何となく分かった。

「つーか見た目のこと、お前にだけは言われたくない。チビ。」

前言撤回。

こいつ最悪、口の悪さは総長に匹敵するよ。


「童顔チビ…」

「黙れアホ。」

アホ!?

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