愛羅武勇×総長様Ⅰ

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―――――――――…

「大ちゃん、帰ろっ」

「おう」

差し出された大ちゃんの手を握りしめた。

「大ちゃん最近車だよね?何かあったの?」

「あぁ、まぁな…」

綾香が来てから、大ちゃんは急に車で登下校するようになった。

「そっか。バイクは?」

「家。」

「もう乗らないの?」

「厄介事が終わったらまた乗る。」

「厄介事…?斎藤君じゃないよね?」

「違ぇよ。」

流石に違うか…

「美憂。」

真っ直ぐ前を向いたまま、大ちゃんがあたしの名前を呼んだ。

「何?」

「その厄介事が済むまで、登下校も話したりするのも無理かもしんねぇ。」

登下校も話したりするのも無理…?

「何で?」

「付き合う前に言っただろ。俺の彼女ってだけで狙われることもあんだよ。」

そっか…そうだよね…大ちゃん総長だもん。

「何か分かんないけど、頑張ってね!大ちゃん。」

「あぁ。」

遼と槙が早退してた理由が分かった気がした。


2人でゆっくりと歩くこと数十分。あたしの家が遠くの方にチラチラ見え始めた。

「もうちょっとだね…」

「おう。」

「大ちゃん今日歩くの遅いんじゃない?」

「…………分かってんだろ。」

「ふふっ、可愛いねー大ちゃん。」

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