愛羅武勇×総長様Ⅰ

歩くのが遅いのは、きっと少しでも長く一緒にいたいから。

あたしもそう思ってる。

「あんまり1人で出歩くんじゃねーぞ。」

「うんっ」

「…………大丈夫かよ…」

「大丈夫だって、バカにしてるのー?」

「おう。」

なっ…!

全く…失礼な。

「1回実際にあったわけだからな。」

「あれはっ…油断してて…」

「だったら今回は油断すんなよ。」

「分かりました、気をつけます!」

「一応桜井にも言っとく。」

「えっ、柚ちゃんにも言うの?」

「お前は頼りにしてねぇから。」

頼りにしてないっ!?

「なんで!?」

「何でも。」

まぁ自分でも頼りになるほど出来た人間ではないことくらい分かってるけどさっ。

「大ちゃんのバーカ。」

「あ?黙れ。」


長い沈黙が続いた。

あたしが何も言わないでいると

「おい。」

大ちゃんが口を開いた。

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