愛羅武勇×総長様Ⅰ
「…何?」
「はぁー…心配だから言ってんだ。怖い目にあいたくねぇだろ。」
「……うん…」
そんな話をしてる間に、ふと見上げると自宅が目の前に。
「美憂、こっち向け。」
呼ばれて大ちゃんの方へ顔を向けると、優しい顔をして笑ってる。
あ…、この顔好きだな…
―チュッ…
「わっ!!」
「何だよその声。」
「何!いきなり!」
「別に。」
別にって何よ。
大ちゃんってたまに急に大胆になるときあるんだよねー…
何なんだろうね?
ツンデレかと思ってたのに、恥ずかし気もなくいきなりキスなんかするんだから。
「じゃあな。」
「あっ、バイバイ大ちゃん!」
大ちゃんが見えなくなるまで背中を見つめ続けた。
当分の間一緒に帰れないもんね…
少し寂しいけど、大ちゃんは総長だ。あたしがわがまま言って、龍泉全体に迷惑かけるわけにはいかない。
「はぁー……」
大ちゃんが見えなくなったあと、家へ入った。