愛羅武勇×総長様Ⅰ
―――――――
――――――――…
「行ってきまーす…」
「行ってらっしゃい」
―バタン…
いつもは大ちゃんと綾香がいるけど、今日はいない。久しぶりに1人で登校する。
何で綾香もいないんだろ…?
大ちゃんは昨日言ってたからだろうけど。
「ま、いっか…」
たまには1人の時間があっても悪くないのかも。
深く考えず、呑気に1人で登校。
いつもより、足取りが早くなる。何でかは自分でもよく分からない。
徒歩で、数十分かけて学校の門の前まで来た。
入っていくと
「ちょっと中原さん!」
先輩方が少し焦ったような顔で、あたしの名前を呼んだ。
―また嫌がらせか?
この先輩達、大ちゃんのことが好きで、あたしに嫌がらせしてたんだ。
「何ですか?」
遼独特の、ブラックスマイルで
『次手出したらただじゃおかねぇぞ。』
なんて言われた先輩達は次の日から、あたしへの嫌がらせをキッパリと止めた。
遼がどれだけ怖かったかはあたしには分かんないけど…