愛羅武勇×総長様Ⅰ

「何なのよあれ!」

「あれと言われましても……」

「あなた神岡君と別れたの?」

「……………はぁ?」

あたしと大ちゃんが別れた?

この人何を言ってるの…?

「バカなこと言わないでください。」

「なっ…だったら自分で見てきなさいよ!」

見てくるって…何を?

「何をですか?」

「行けば分かるわ。」

何だか嫌な予感がした。

先輩達の顔が冗談ではないということを物語ってる。

「っ………」

早歩きで生徒玄関まで向かうと、たくさんの人だかり。

「すいません、通してください!」

謝りながら前へ進むと、人だかりの元凶が、あたしの目の前に。

「な、に……これ…」

目を塞ぎたくなる光景を、見ることが嫌で逃げ出した。

何で…何で…!


無我夢中で走っていると


―ドンッ…

誰かにぶつかった。

涙でぼやけていた視界が、ぶつかったことで、はっきりと見えるようになった。


「美憂…?」

「…………ゆ、ずちゃ…ん…」

「どうしたの?何かあった?」

優しい言葉に、ポタポタと涙が零れ落ちる。

「っ……」

「…屋上行こっか」

返事をする代わりに、コクリと頷く。

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