愛羅武勇×総長様Ⅰ
-遼side-
大智がイライラしてる。理由は知らないけど、きっと何かあったんだろう。
「大智、何かあった?」
「………………」
「返事ぐらいしろよ。」
「……黙ってろ」
「は…?意味分かんねぇ。今大事な時期だって分かってんだろ」
「遼、止めろって…」
槙に止められ、文句を言うのを止めたが、大智のイライラは収まらないようだ。
「………チッ」
玄関の人だかりを見ると、舌打ちをして
「邪魔。」
そう言って人だかりのど真ん中を歩いていく。
当然よけないはやついない。
「威圧感ハンパねぇ…」
人だかりはあっという間に消えていった。
「…………は?」
まさか人だかりの理由が大智だったとはね…
「何だよこれ…」
槙と俺が驚いているなか、大智はどこかへ走り出した。
「おい大智っ!」
「槙、こいつ原野とかいう女だよな。」
「あいつか…っ」
あいつだと分かった瞬間に、怒りがだんだんとこみ上げてくる。
「やっぱりあいつか。」
「つーことは………」
「決まりだな。」
この数日間槙と調べて手に入れた曖昧な情報が、今確実になった。
「つーか大智は?」
疑問におもっていたことを口にすると
「………中原のとこか」
「止めたほうがいいんじゃねぇの?」
「まぁ、作戦的には。」
「行くか…」
「あぁ。」
2人で、手分けして大智を探しに行く。