愛羅武勇×総長様Ⅰ
『そっか、じゃあ朝迎えに行こうか?』
「あー…あの、何かよく分かんないんだけど…」
『どうしたの?』
「明日から送り迎えは遼がするって………」
『何で?』
「分かんないの、何も教えてくれないし……」
『まぁ、何か理由があるんでしょ。』
「うん………」
まぁどっちにしても、大ちゃんには嫌われたんだろうな……
大嫌いって言っちゃった…
『神岡君にもきっと理由があるんだよ、美憂が信じてあげなきゃ。』
「………うん、ありがと、柚ちゃん」
『どういたしまして、じゃあまた明日ね。』
「バイバイ」
―ピッ…
今更ながら、大嫌いと言ったことを後悔した。
大ちゃんが浮気なんてするはずない。信じなきゃ、大ちゃんはそんな人じゃないって。
「信じなきゃ……」
そう言って、ベッドに倒れ込んだ。
明日学校に行ってちゃんと話そうかな…
でも今日あんなこと言っちゃったし……話しにくいんだよね…
「はぁー…」
あの時に冷静になって、大ちゃんと話せば良かった…
明日学校行って、大ちゃんが来たらすぐに屋上へ行く。
【話があるから、明日朝屋上に来て】
メールを送った。
〜〜♪
数分もたたないうちに、メールが返ってきた。
【分かった。】
大ちゃんらしい、無機質なメール。
それを見て安心したあたしは、ソファーに寝転び、今日の出来事を思い出していた。