愛羅武勇×総長様Ⅰ
-遼side-
クリスマス前だってのに…
「寒い!」
バイクで美憂の家まで迎えに行く。
総長命令だから仕方ないけど。
信号待ちの時に美憂にメールした。
さすがにまた1人で出歩いてるってことねぇだろ。1回あんなことがあったわけだし、懲りてるはず。
少し急ぎめに、美憂の家までバイクを走らせる。
頼むからいてくれよ。
家が見えてきた。
外にはいない。
中にいるのか?
バイクを止めて、インターホンに手をかける。
―ピンポーン…
シーンと静まり返った美憂の家は、人がいる気配なんて全くない。
「嘘だろ…」
急いで美憂に電話をかける。
4コールぐらいして、繋がった。
「もしもしみゆっ……」
美憂じゃない。
誰だこいつ…
「誰だてめぇ…」
『分かってんじゃねぇの?』
「真白か。」
『正解。この子帰してほしかったら、総長つれて狂羅の倉庫まで来い。』
プーップーッ……