愛羅武勇×総長様Ⅰ
-大智side-
遼から電話がかかってきた。
美憂が拉致られた…?
「てめぇ何してたんだ!」
『今喧嘩してる場合じゃねぇだろっ!大智、お前は1人で先に狂羅の倉庫に行け!』
一方的に切られた電話。
「バカ美憂…っ」
また1人で出歩いてたのかよ!
話があるって言ったのはお前だろ…?
屋上から飛び出て、階段を駆け下りる。
槙に電話をかけながら。
『もしもーし』
「お前今龍泉の倉庫か?」
『何だよいきなり、まぁいるけど。』
「龍泉始動だ。」
『っ…狂羅か!』
「…あぁ、俺は先に行くから、遼が来たら動け。」
『了解。』
バイクに跨り、エンジンをかけて走り出す。
「いい度胸してんじゃねぇか…」
今年最後の大勝負だ。
あんな卑怯な手使うようなやつに、俺らが負けるわけねぇ。
心配なのはただ1つ。
美憂のこと。
1回あんな目に合ってるのに1人で出歩くわけないだろ。