愛羅武勇×総長様Ⅰ
数十分すると、倉庫が見えてきた。
狂羅の倉庫の前にバイクを止めて、入り口を見た。
「1人相手に警戒しすぎだっつーの。」
狂羅の倉庫前には十数人の見張り。
ばかじゃねぇの?
「てめぇらそこ退け。邪魔だ。」
「あ゛ぁ?」
「龍泉総長が来てやってんだよ。 さっさとそこ退け!!」
「っ……」
「口だけか?退かねぇなら力ずくでやるぞ。」
俺が歩み寄るたびに、じりじりと後退りするやつら。
「やる気ねぇのか?」
「黙れ!!」
その声と共に、数人を残した奴らは、俺に向かって殴りかかる。
あぁ、だりぃ……
―バキッ!
「っは……」
「おら、退け。」
横たわったやつを足で蹴飛ばし、大きなドアを開ける。
―ギィィイ…
古びたドアを開けると
「よぉ、待ちくたびれたぜ。神岡。」
鉄パイプを持った真白が笑いながら立っていた。
「早すぎるくらいだろ。」
「相変わらず冷てぇなー…なぁ、神岡…お前の大事な彼女、ぶっ倒れちまったぞ。」
美憂が……倒れた…?
「…何した……」
「は?」
「美憂に何した!!」