愛羅武勇×総長様Ⅰ
「別に何もしてねぇよ。風邪でも引いてんじゃねーの。」
「……どこにいんだよ。」
「見えねぇのか。」
「あぁ?」
真白の指差す方を見る。
「っ美憂…!」
真っ赤な顔で、横たわっている美憂の姿。
遠くから見ても、苦しそうなのがよく分かる。
「おーっと…そんなに簡単に行かせると思ったか?」
「は…ざけんなよ!てめぇ見て分かんねぇのか!」
さっきより明らかに増えた、狂羅のメンバー。
敵が…多すぎる…っ
落ち着け、俺。
「龍泉なめんなよ?」
負けるわけねぇよ。
龍泉を信じるんだ。
「は?」
「こんな卑怯な手使ってしか勝てねぇようなやつらに、負ける気がしねぇんだよ!」
―ギィィイ…
「はっ……おせーよ」
「わりぃな、まぁ今からってとこだろ。」
不適な笑みを浮かべた遼がそう言った。
重たいドアが開いて、現れたのは龍泉面子。
遼と槙がまとめてきてくれたんだろう。
「あぁ、今からだ。」