愛羅武勇×総長様Ⅰ
-大智side-
真白が焦り始めた。
無理もないだろう。
周りの奴らがだんだん減ってきているんだ。
焦らねぇ方が変だろ。
「余裕…っ…ないんじゃ、ねぇの?」
実際には俺もギリギリだ。
「はっ……狂羅をな…俺の、代で…潰すわけにはいかねぇんだよ…!」
「俺だっ、てそうだ……龍泉は潰させねぇ…」
拳に力を入れ、そこら中が痛い体を無理やり動かす。
「終わらせようぜ…っ、かかって来いよ…真白っ」
「チッ……お前、だけは…気に食わねぇ…」
「俺もだ…」
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――――――――――…
「っはぁ………ぅ…」
あれからどれだけ時間が経ったか分からない。
「…ははっ………」
「っ大智……!」
「………遼…」
目の前に倒れているのは真白。
「さすが総長!」
「ったりめーだろ…っ」
力の入らない足にイラつきながらも、ゆっくりと美憂の方へ歩み寄る。
「美憂…っ」