愛羅武勇×総長様Ⅰ
「えっと…多分お母さんと来てた。多分夏休みくらいに。」
「夏休み……?」
夏休み夏休み夏休み……
「あぁ!!思い出した!来たことある、そういえばその時もオムライス食べたんだよ!」
思い出した、確かに所々見たことある。
あたしがオムライスを好きになったのは、ここのオムライスを食べてからだった。
「多分高校生だったよね、俺と槙と大智も居たんだけど。」
「そうなんだ!」
「1番に気付いたのは大智だったよ、美憂の事見た時、直ぐに気付いてた。」
「よく分かったね、あたし全然気づかなかったけど」
「そうだろうね。最初は俺も気づかなかったし。あの、大智さ、悪いやつじゃないから。」
根は優しいんだよね。
別に嫌いじゃないからなぁ、大ちゃんのこと。
「出来たぞ。」
「おー、うまそー!」
1番に気付いてくれたのが、大ちゃんだって分かったとき、何故か嬉しかった。
「……何だよ。」
「ふふっ、別にー」
「きもっ。」
「キモくてもいいもーん。」
「……送ってく、行くぞ。」