愛羅武勇×総長様Ⅰ
―ガラッ…
何も考えずにドアを開けちゃったから、みんなの視線を集めてしまった。
「中原、随分と遅い登校だな。」
「あ、はは…、人助けしてました!」
「美憂が人助け?有り得ねぇ!」
「うわっ、失礼なやつ!」
笑いながらあたしをバカにしてくるのは、クラスメートの篠原海斗。
「……まぁいい、席付け。今日は転校生が来てるんだが…」
えっ?
まさかまさかの……
「転校早々に遅刻か…全く、仕方ないな。」
―ガラッ…
え、何このイヤな感じ…。
「おぉ、来たか。」
こんな生徒受け持ちたい先生なんてきっといない。世界中探したって、きっとみんな断るはず。
「自己紹…ガァンッ…介を…………」
先生が自己紹介と言う前に、不良たちはドアを閉め、出て行った。
さっき見たばかりの金髪と、オレンジ色の髪とピンクメッシュの不良達。
………怖いです。
「せ、先生……今のは…?」
と1人の生徒が聞く。
「あぁ……転校生だ…。」
一瞬空気が固まった。
シーン…となって……
「……み、見た目はちょっとハデだったけど、みんな良いやつそうだなっ!」
その空気をなんとかしようと、ムードメーカーの海斗が頑張っている。
……………どこらへんが?
バリバリ悪い人オーラだしてましたよ?