愛羅武勇×総長様Ⅰ
「あ、そうだ…今日ね、コンビニ行ったときに、かっこいい人に会ったんだよ。」
「ふーん…美憂がかっこいいって言うんなら、相当だね。」
あたしがあまり、男の子のことをかっこいいって言わないから、珍しいらしい。
「背が高くて、茶髪で…助けてくれたの」
「助けてくれた?何から助けてもらったの?」
「酔っぱらってた不良達。」
「絡まれたの?」
「うん、でも大丈夫だよ、直ぐに助けてもらったから。」
正直言うと、あの時誰も助けてくれなかったら、危なかった。
「美憂は危なっかしいんだから、気をつけてよ?こっちがドキドキするんだから」
「今回のはたまたまだってば、相手が酔ってたからだよ。」
酔った状態で、女の子を見れば、大体が可愛く見えるんだよ。きっと。
視界が変になるんだからさ。
「だったら良いけど…気を付けてね?」
「うん、分かってる」
「…あ、そういえばさ、暴走族に会わせてくれるんでしょ?」
「あー…そうだったねじゃあ明日暇だから一緒に行こっか。」
少量のお酒を飲んだだけで、頭がフワフワしていたあたしは、うっかりそんな約束をしてしまった。
あたし、柚ちゃんの順番でお風呂に入り、また再びお酒を飲み始めた。
一本、また一本とお酒の缶を開けていっているうちに、机の上はお酒の缶でいっぱいに。
「ゆるひゃん飲みふぎー!」
「美憂、飲み過ぎだから。ほら、もう寝るよ…?」
「はーい………」
その後はもう記憶がない。
どうやらすぐに寝てしまったみたいだ。