愛羅武勇×総長様Ⅰ
あ、そうだ。大ちゃんにお弁当作ってあげる約束してたんだよね。
すっかり忘れちゃってたよ。
でもまぁ、彼女がいるなら、あたしが作ったお弁当なんていらないよね…
「月曜日からは自分で作ろう…」
そう呟いて、少しだけ残っていたパンのミミをかじった。
「ごちそうさま。お母さん、今日柚ちゃんと遊びに行ってくるね」
「あら、そう。気をつけて行ってらっしゃいね」
「はーい!」
元気に返事をして、柚ちゃんの待つ、自分の部屋へ戻った。
「早かったね、もう少しゆっくりでも良かったのに。」
「これ以上待たせるのは流石にね…」
「それもそうだね(笑)じゃあ着替えて? 服出しておいたから。」
「はいはーい!」
柚ちゃんが部屋を出て行って、出しておいてくれた服に着替える。さすが柚ちゃん、あたしの好み分かってるねー。
「お待たせ、行こっか」
「歩いて行くの?」
「うん、そんなに遠くないからね。」
「そうなんだ。」
「うん、行ってきまーす。」
―バタン…
ゆっくりと、焦ることなく歩くこと15分。
大ちゃんに連れて行ってもらった、古いレストランが見えた。