愛羅武勇×総長様Ⅰ
「そんなこと思うわけねぇじゃん。そりゃあ笑顔の方が好きだけど、泣いてたからって、ウザいとか思わない。」
付け足して、「美憂には、笑っててほしいな」
そう言った。
「ありがと、風磨」
「いいよ、俺は思ったことを言っただけだし。」
「風磨は友達思いなんだね。」
「そんなことねぇよ」そう言って俯いた。
風磨は数秒だけ黙り、パッと顔を上げ、口を開いた。
「俺さ、一目惚れしたんだ…」
「そうなんだ…」
「…その子には昨日初めて会って、今日もう1回会ったんだ。マジで運命かと思ったんだけどさ、その子泣いてて…昨日会ったときと同じ、悲しい顔してた。」
「2日連続で会うなんて凄いね…」
「まぁね。で、その子が泣いてるとこ見て、俺が笑顔にしてやりたいって思った。涙の理由を聞きたいって思ったんだ。」
その子はあたしと似てるね?
昨日も今日もずーっと悲しい顔してて、ウジウジしてるようなあたしと。
「まだ分かんない?」
急に聞かれて戸惑った。
「何が…?」
ため息をついて、再び話し始めた。