愛羅武勇×総長様Ⅰ
「俺の好きな人…」
風磨の好きな人…?
「あたしの知ってる人?」
「………美憂って鈍感だな」
「なんで?」
「ここまで言っても分からないんだ…」
「だって風磨と会ってまだ2日目だよ?」
「でももうこんなに仲良いだろ?会って何日とか、関係ないと思うけど。」
「だろうね、風磨友達いっぱいいそうだもん。」
そう言うと、風磨は「うん」と、軽く返事をして、有り得ない事を言った。
「喧嘩強い友達なら何人かね、残りの奴も良い奴ばっかだし。」
「喧嘩強いんだ……」
普通の友達じゃないんだね?
"喧嘩の強い"友達なんだ。
「って…俺の友達の話はいいんだよ。俺の好きな人、分かった?」
「分かんないよ」
「そっか…じゃあ教えてやるよ。……俺の好きな人、今目の前にいる。」
今目の前にいる?
「今?」
「あぁ、今。」
「目の前にいるの?」
「おう、俺の目の前にいる。」
目の前にはあたししかいないよ?
「あた、し…?」
「当たりー。俺、美憂が好きだよ。」
まだ会って2日目だよ?
学校も違うし、会ったのは、今日でたったの2回。
「ごめん、あたし好きな人いるの…」