愛羅武勇×総長様Ⅰ

「利用してもいいから…」

「風磨のこと利用したくないもん!」

突然立ち上がって叫んだあたしを見て、風磨はビックリした顔をしていた。

「ははっ………美憂優しすぎ…」

そう言うと、風磨は悲しそうに笑った。

「風磨、付き合おう…」

驚いた顔をして、あたしの顔を見た。

「…美憂、 無理しなくていいから…」

もう決めた。

あたしは風磨と付き合う。


「無理してないよ、風磨のこと好きになるもん。あたしが言ってるんだから、間違いないでしょ?」

「マジで…?」

「はい、マジです。」

「……やばい、なんか今更になって恥ずかしくなってきた。」

「そんなに? なんか告白初めてみたいだね」

顔を赤くして、照れてる風磨は、さらに顔を真っ赤にさせた。

「初めてだし」

「へぇー、初めてなんだ………え!?」

「お、おぉ……」

「嘘!!」

「あ、いや…マジだから」


少し、疑いつつも、告白が初めてだということに納得したあたしは、風磨のバイクの後ろに。


「どこ行くの?」

「んー……秘密!行ってからのお楽しみ」

ヘルメットを渡してくれた。

ゆっくりと跨ると、「捕まってろよ」そう言って、笑った。

大ちゃんの時とは違う、不思議な感じ。大ちゃんよりも、少し大きな背中に、捕まった。

「じゃ、しゅっぱーつ!」

大ちゃんの時とは違う、あんなに嫌いだったバイクも、素直に乗れた。

ある程度のスピードで、走ること約15分。見たことのある、倉庫のような場所についた。

しかし、前行った場所とは雰囲気が違う。

前行ったというのは、大ちゃんの……いや、龍泉の倉庫。

じゃあ今あたしがいるこの倉庫は何?

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