愛羅武勇×総長様Ⅰ
「風磨……ここは?」
「…美憂、俺さ、暴走族の総長なんだ。」
「………えっ!?」
風磨が総長!?
嘘でしょ!
「白龍っていう族の10代目総長。って言っても分かんねぇか」
いきなり言われても、全く意味が分かんない。
「白龍? えっ、風磨ほんとに総長?」
「うん、正真正銘10代目総長!」
マジですか…。
「彼氏が総長って嫌?」
嫌じゃない……けど。
「全然、ただビックリしただけだよ」
不良が嫌いってわけじゃないし…
「そっか、良かった…じゃあ入ろっか、仲間にも紹介したいし」
「うんっ」
大ちゃんのことは忘れよう。
あたしの事なんて何とも思ってないことくらい分かってたのにな…
「美憂、人がいっぱい居てビックリするかもしんねぇけど、みんな良い奴だからさ。」
「うんっ」
―ガチャ…
ドアを開けるまで賑やかだった倉庫が、あたしと風磨が入った瞬間に、異常に静かになった。