愛羅武勇×総長様Ⅰ
「風磨、隣の子誰?」
背が低い、茶髪でちょんまげをした子が、あたしを見ながら風磨にそう聞いた。
何でかな?
ある人を連想させるような…
「俺の彼女の美憂。分かってると思うけど、手だすなよ。」
「ふーん、美憂ちゃんか…よろしく!」
さっき、風磨に話しかけていたちょんまげのあの子だ。握手を求められ、手を握った途端に、上下にブンブン振られる。
「俺の名前は恋汰(レンタ)!!」
「れ、恋汰君…?」
「そう、城戸恋汰。呼び捨てで良いよ」
人懐っこい恋汰を見て、連想したのは遼。
遼しかいないだろう。
あの可愛さ、エンジェルスマイル。
「恋汰、部屋入ろうぜ」
「あぁ、そうだな。」
とりあえず、ギュウッと握っていた手を離し、風磨に案内してもらう。
着いたのは、龍泉とは違う、真っ白なドア。
「美憂、入って。」
中にはいると、やっぱり龍泉とは違う雰囲気を漂わせてる。
そして、きっとどこの族にもあるであろう、大きな旗。
【白龍】
そう書いてある。
「あ、そうだ…美憂、俺が総長で、恋汰が副総長だから。」
「副総長なんかあるんだ…」