愛羅武勇×総長様Ⅰ
大ちゃんだよね…?
〜〜♪
2度目の着信。
さっきと同じ番号。
どうしても通話ボタンが押せない。
戸惑ってボタンが押せないでいると、鳴っていた携帯の音楽が途切れた。
内心では安心していた。
今はきっと何度かけられても電話には出れないから。
そう思ったのは束の間で、今度はメールを受信したことを知らせる音楽が鳴り響いた。
遼のアドレスじゃない…
じゃあこれは大ちゃんのアドレス…?
【電話くらい出ろ。】
素っ気ないメール。
間違いない、大ちゃんだ…
1人で考えるのが嫌になる。
〜〜♪
電話の着信音が鳴った途端に、体がビクッとした。
ゆっくりと画面を見ると、大ちゃんではなく、柚ちゃん。
―ピッ…
「…もしもし?」
『美憂、大丈夫?今どこにいるの?』
「大丈夫だよ、今帰ってるとこだから…」
『そっか…良かった』
「ごめんね、心配かけて…」
『美憂のことだもん。大事な友達でしょ、心配するのは当たり前。』