愛羅武勇×総長様Ⅰ
-遼side-
―バタン…
美憂が藍沢と一緒に行ってしまった。
「チッ…何で……」
「お前んとこの総長ダメだな。」
城戸にそう言われ、大智の方へ目を向けると、呆然と立ち尽くしていた。
「大智っ!シャキッとしろよ!」
そう叫んだが、大智の耳には全く入らない。
「あーあ、残念。総長がこんなんじゃ、龍泉も終わってんね…」
「黙れ!」
その一言とともに、周りにいたやつらも、喧嘩を始めた。
「大智、きっと何か理由があんだよ。 大丈夫だから、今は総長らしくしろ。」
槙が大智にそう言った。
流石に今回はまずい、と思った槙は、早々と喧嘩に参加し始めた。
「あぁ、悪かった…」
いつも通り程の大智じゃないが、少しでも直ったなら良かった。
「なぁ、総長がいないなら喧嘩する意味ねぇよな?」
俺と喧嘩していた恋汰に、そう問い掛けた大智。