愛羅武勇×総長様Ⅰ
「そうかもね。こっちの方が圧倒的に不利だし。」
「だったら今日は止めだ。藍沢に言っとけ、いつか潰しに行くって。」
「あぁ、分かった。」
龍泉も白龍も、引き上げていき、今まで耳を塞ぎたくなるくらいうるさかった倉庫が、静寂に包まれた。
「大智、帰ろう。」
「………………」
何も喋らない大智の頬を、槙は思いっ切り引っ張った。
「龍泉10代目総長。しっかりしろ。俺らはお前についてきてんだぞ。総長がそんなんじゃ、俺らはもう終わりだ。」
俺が思っていたことを、槙が全て言ってくれた。
「大智、泣きたいなら泣けよ。そのかわり、今日だけだからな。」
「槙君カッコいいー(笑)」
俺がそうからかうと、大智も、槙も、2人して笑った。
「っしゃ、帰るか!」
大智は笑った後に、そう言った。
大智はこうでなくちゃ。
俺様で、自己中で、いつも上から目線な大智じゃなきゃ、調子狂う。