愛羅武勇×総長様Ⅰ
―ピピピピピ…
目覚めの悪い朝。
目が重くて、鏡を見なくても腫れているのが分かった。
「行きたくないな…」
理由は2つ。
1つめは頭が痛いから。
仮病とかじゃなくて、本当に。
2つめは、きっと嫌でも大ちゃんに会ってしまうから。
もしかしたら、大ちゃんもサボってて、学校に来ていないかもしれない。
でももし来ていたら?
隣の席だから、会わないなんてことはまず無理だ。
ずるいあたしは
勇気のないあたしは
学校を休むという選択肢しか見つけることができなかった。
―ガチャ…
「美憂、遅刻するわよ。」
「今日休む…」
「何言ってんのよ、バカなこと言ってないで早く準備しなさい。」
―バタン…
今更準備したって結局は遅刻するのに。
はぁ……やっぱり行かなきゃダメかな…?
思い体を無理矢理起こし、リビングに行くと、いつものように用意されている朝ご飯。
お母さんは、休ませる気はないらしい。
頭痛いのに……
「早く食べなさい。お母さん仕事行くからね、食べたらちゃんと行くのよ?」
「はーい……」